ビーツってどんな野菜?
・初心者でも楽に育てることができる野菜
・年に二回収穫できる野菜
・ロシア料理のボルシチに欠かせない野菜
・赤カブのような丸い根で甘みが強く美味しいの野菜
・根は鮮やかな赤紫色(ベタシアニンという色素)で、葉も赤い
・茹でてスライスしてサラダにまぜたり、煮物、スープ、ピクルスなどおすすめ
・カリウム、ナトリウム、カルシウム、ビタミンB類、食物繊維やベタシアニン、ベタインなどのミネラルが豊富の野菜
・食べる輸血と言われている
・高い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に効果があるとされている
ビーツ栽培の手順
大凡の流れです。
①土作り ②種まき ③水やり
④発芽 ⑤間引き ⑥追肥
⑦収穫 ⑧食す
ざっとこんな感じでわりと簡単に育てられる野菜です。
土作り 畑の準備
ビーツは酸性の土壌をやや嫌うので、種まきの2週間前に必ず石灰類を施して酸度調整します。(おすすめは苦土石灰)
畑1㎡当たり100gをまいて耕します。
種まきの1週間前には堆肥を畑1㎡当たり2kg、元肥として化成肥料1㎡当たり100gを入れてよく耕します。
その後、畝を立てて黒マルチを張ります。
畝は幅60cm、高さ15cm程度を目安にすると良いです。
堆肥=牛ふん堆肥、鶏ふん堆肥など。
化成肥料=化学肥料の一種で空気中の窒素や鉱石などを原料にした肥料。
肥料には有機肥料と化学肥料の二種類があり、有機肥料は油粕や魚粉など有機物でできた肥料。
黒マルチ=土の保湿や地温を上げる効果や雑草を防ぎます。
ビーツは連作を嫌う野菜で2,3年あけると言われてますが家庭菜園レベルなら隣の畝に替えれば良いと思います。
種まき
ビーツの種まきの時期は春まきと秋まきの年2回あります。
春の種まき:3~5月 収穫時期:5~7月
秋の種まき:9~11月 収穫時期:11~12月
マルチを条間20cm間隔ですじ状にカットして土に棒などで深さ1㎝の溝を作り、そこに2~3㎝間隔で種をまいていきます。1つの種から複数の芽が出てきますので、条まきにします。(すじまき)
種をまいたら土を被せて、土の表面を軽く押さえ付けます。
土を押さえたら水をたっぷりかけます。種が流れ出ない様に注意して水やりしましょう。
ビーツの種は皮が硬く発芽しにくいので、水に一昼夜浸けておくと発芽しやすくなります。
条間=溝と溝の間隔のこと。 二条まき(溝が二本)
条まき=種をまく溝を縦または横に一定の間隔で作り種をまく方法です。
水やり
発芽するまで約10日間を要しますが、この間は土の表面を乾燥させないように水やりを行います。
土の性質で異なりますが水はけの良い土では乾燥しやすいので注意しましょう。
発芽してからの水やりは気温の高い時間帯は(14~16時)避けましょう。
発芽
種をまいてから約10日前後で、一つの種から数本の芽が出てきます。
地域の気温に左右されますので2週間後に発芽することもあります。
間引き
間引きを3回行います。(2回でも育ちます!)
1回目の間引きは、双葉が開いたら本葉が1~2枚の頃に行い、株間を3㎝くらいにします。
1つの種から2,3本の芽が出てくるので、発育の良い芽を2本残します。
抜いてしまう芽は摘んで抜いても良いですが残す芽の根も抜けてしまうことがあるのでハサミで切り取るやり方がおすすめです。残す芽を傷めないように注意して下さい。
2回目の間引きは、本葉が3~4枚の頃に行い、株間を6㎝くらいにします。
3回目の間引きは、本葉が6~7枚の頃に行い、株間を10㎝くらいにします。
間引いた後は株のぐらつきを防ぐため株元にかるく土寄せをすると良いです。
間引きをすると株数が減って勿体なく思えますが株が密集していると根の発育が悪くなりますので株間の間隔を十分に空けましょう。(後に後悔します)
株間=芽と芽の間のこと。
追肥
2回目の間引きをした時、株のまわりに化成肥料8-8-8を1㎡当たり約50gを施します。
種まきから約50日後(収穫前の10日~15日)の最も肥料を必要とする時期に株のまわりに化成肥料8-8-8を1㎡当たり約50gを施します。
追肥=植物の生育に応じて必要な栄養分を追加で与えることを追肥といいます。
化成肥料=化学肥料の一種で空気中の窒素や鉱石などを原料にした肥料。速効性のある液体肥料もあります。
8-8-8=肥料の3要素である、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の含有率がすべて8%あり略称8-8-8とよんでいます。例えば1kgの肥料には1000g×8%=80gでそれぞれ80g含まれていることになります。化成肥料8−8−8 20Kg
収穫
ビーツの収穫は種をまいてから60日~70日後が収穫の目安となります。
春まき(3月~5月)をした収穫時期は5月~7月、
秋まき(9月~11月)をした収穫時期は11月~12月です。
もう一つの収穫目安は土の表面から出ている根の直径が5㎝~6㎝、葉の長さ(草丈)が25~30㎝程度になった頃が収穫のタイミングです。
根を大きくさせてから収穫したい場合は株間を広く間引きすると約10㎝と大きく肥大した根を収穫することもできます。
収穫したビーツを食す
有名な調理方法はロシア料理で有名なボルシチです。
その他、サラダ、ピクルス、スープ炒め物など幅広く利用できます。
私の好きな食べ方はサラダと炒めで、まず皮をむかずに鍋にビーツが浸かるぐらいの水を入れ30分程弱火で茹でます。(爪楊枝で刺して真ん中まで軽く刺せたら十分です)
茹であがったら皮を剥きます。
皮は水をかけながら指でこするようにすると簡単に剥けますよ。
茹で上がったビーツはトウモロコシのような甘味があります!
スライスしたりお好みのカットでサラダに混ぜて食べます。
2回目以後に間引いた芽はベビーリーフとしてサラダなどの生食で食べることができます。
葉の部分を適当なサイズにカットして豚バラ肉と一緒に炒めて食べるのも好きです。
ほうれん草のお浸しの様にして食べるのも美味しいのでおススメです。
害虫・病気の対策
ビーツはホウレンソウと同じアカザ科の野菜で、ホウレンソウに発生しやすい病気と害虫に注意して下さい。
害虫では、ヨトウムシ、ハモグリバエ、アブラムシ、などの被害が発生します。
ヨトウムシの幼虫は、昼間は地中などに潜み、夜に地上に出て植物を食い荒らすので見つけにくいです。葉の裏の卵や幼虫を見つけたら、葉ごと取り除いて対処します。
ハモグリバエは、小さなハエで幼虫が葉を蛇行しながら食べます。駆除方法は殺虫剤を使用しますが使いたくない場合は防虫ネットを早めに施工して対処します。
アブラムシは、多くの植物に寄生するとても厄介な害虫で効果的な防除方法は殺虫剤の使用です。殺虫剤を使用したくない場合は種まき時や苗の植えつけ時に粒剤を処理すると効果的です。
害虫対策:防虫ネットでトンネルした方が安心。
ビーツは暑さに弱く高温多湿では褐斑病(かっぱんびょう)や軟腐病(なんぷびょう)などが発生しやすくなりますので注意が必要です。
褐斑病は、葉の部分に円形の褐色の斑点が生じます。
斑点になった部分はやがて枯れてしまいますので発病した葉は早めに取り除いて処分します。
予防は間引きをして株間を適切にとり風通しを良くしましょう。
軟腐病は、葉や茎や根部が水が浸みたような状態になり、だんだん褐色に変わり腐って行き強い悪臭を放つようになります。発病した株を見つけたら根ごと抜き取って処分しましょう。
気温が高く雨が多くなる梅雨の時期や、水はけが悪い場所でも発生しますので注意が必要です。